ここでは、アマチュア野球で広く使われている早稲田式スコアを使います。
先攻と後攻、見開き2ページ構成のものが多いです。
スコアで使われる数字について
アラビア数字 | 1、2、3… | 守備番号。誰がボールを処理したか記録します |
(アラビア数字) | (1)(2)(3)… | 打順番号。誰の打順のときのできごとか記録します |
ローマ数字 | Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ | アウトカウント |
試合前に書くこと
① タイトルは、大会名など
- 日付
- 試合タイトル
- 球場名
大会名を書くときは、何回戦か。
例) 第43回NHK杯◯◯県学童軟式野球大会 1回戦
大会名は略名でも可能かどうかは、チームルールに従ってください。
練習試合なら、本日何試合目か。
例) 練習試合②
ご家庭で保存するだけなら、正式名称と通称でもどちらでも。
お子さんの学年を欄外に書いておくと
見返したときに分かりやすいですね。
② 試合環境は、天気やグラウンド状況を
- 球場状態(良好、湿、多湿、乾、不良など)
- 天気・風向き(晴、猛暑、曇、小雨など)
- 観衆(書いたことない 笑)
③ 対戦チームは、「一塁側 対 三塁側」の並びで
「一塁側」対「三塁側」
チーム名は省略せず、正式な登録名を書きます。
④ 試合関係者は、審判等わかる範囲で
審判
実は書いたことはないですが汗…試合に携わってくださった方の名前を書く欄があります。
個人的には審判、特に球審の名前は記録しておきたい!
なぜなら
球審の傾向を知りたいから
ストライクゾーンの範囲はルールで決まっていますが、審判によって多少ズレがあります。そのズレをあらかじめ知っているのと、知らないのとでは、立ち上がりに影響が出てきます。
記録員とは
アナウンスで「記録員は○○……」と放送されたら、ラッキーです!
エラーかヒットかの判断をしなくて済みます。
どっちかな~と思ったら、電光掲示板を見てください。
スコアボードに、記録員が判断した結果が点灯します。
「H」ヒット
「E」エラー
⑤ 先発 ⑥ 選手名 は、試合前のオーダー表交換でわかります
⑥ 試合開始時のメンバーを記入します。
選手名は姓のみが基本
選手名は基本、姓のみで記入します。
同姓がいる場合は、名の一文字目も書きます。
今後、他チーム選手のデータも集めるなら、選手名はフルネームで書くと楽しみが増えますよ。
小中高と成長を追うのもおもしろいんですよ。
特に小学生は、兄弟姉妹でスタメンも珍しくないので、面倒でなければフルネーム記入をおすすめします。
思いがけず、進学先でチームメイトになることもあるかもしれません♪
背番号はわかる範囲で記入
こちらの地区では、小学生の背番号はその年度は固定でした。
中高生は大会ごとに変わります。
大会ではある程度情報もありますが、中高生の練習試合では背番号もないし、対戦チームのことなんて顔も知らないので右バッターか左バッターか……くらいしか書けません。
そこは割り切って、わかる範囲で書きます。
⑤ 試合開始時の守備位置を数字で記入します。
先発欄には、スタメン守備位置を数字で記入
同じ数字が重複していないか確認しましょう。
ひとつのポジションを2人以上で守るとかないですからね笑。
重複して混乱したことがあります
たまに、練習試合や交流大会などで、DH制・EH制を導入した試合もあります。
打席の位置を記入
右バッターか、左バッターか。
左バッターは少ないので、左だけ「L」と書いています。
書き忘れを防ぐために、右「R」、左「L」と、どちらも記入するのが一番確実です。
もしくは右「・」、左「L」と書くと、書き忘れチェックと同時に、左バッターを目立たせることができます。
スイッチヒッター「S」
まだ使ったことないけど、スイッチヒッターも書いておきます。
これは試合中の初打席で確認して、その都度書いていきます。
⑦ 得点表は、チーム名と監督名だけは試合前に
上に先攻、下に後攻チーム名を書きます。
ここは略名でも良いでしょう。
分かれば監督名も記入します。
監督によって、采配の好みがかわってきますからね…
球場のスコアボードの見方
得点版のみかた
得点版の上が先攻、下が後攻のチームです。
チーム名は文字数の関係で省略されることがあります。
- 「R」は合計得点
- 「H」はヒット数
- 「E」はエラー数
- 印がついている方が攻撃中のチーム
左右のメンバー表について
スコアボードを見た席から違和感のない配置です。
- 左が三塁側、右が一塁側
- 選手名上の数字はポジション
- 印がついている選手が、今バッターボックスに立っている選手
ボールカウントなどの表示
「B」は緑の●で、ボール
「S」は黄の●で、ストライク
「O」は赤の●で、アウト
※古い球場だと「B S O」ではなく「S B O」の順の場合があります。
「H」はヒット
「E」はエラー
「Fc」はフィルダースチョイス
プレイ直後、記録員が判断した結果に点灯します。
見逃さないように!!
すぐ消えますよ!
審判員も表示される
「PL」球審
「1B」一塁審
「2B」二塁審
「3B」三塁審
「LL」外審(レフト線)
「LR」外審(ライト線)
試合開始時刻を書いて、ストップウォッチスタート
試合開始時間は、選手がポジションにつき、球審の「プレイ」がかかったとき
この時に、ストップウォッチの測定開始。現在時刻を記入します。
試合中にスコアラーが注意するのは、打順間違い
打順間違いを指摘できるのは守備チームのみです。
審判でも放送員でも指摘はできません。
次のバッターに対して一球でも投球があれば、守備側のアピール権はなくなります。
打順間違いはうまく試合に使えたらチャンスになります。
スコアラーとして注意しておきましょう。
打順間違いに、打席途中で気づいた場合
攻撃中であれば、即!監督やコーチに伝えてください。
急ぎます!!
守備側であれば、まずは様子見になりますが、すぐに監督やコーチに伝えましょう。
打席途中で気づいて、攻撃側が申し出た場合 | |
飛ばされたAバッター | Bバッターのボールカウントを、そのまま引き継いで打席に立つ |
間違えたBバッター | Aバッターのあと、打席に入る |
守備側が気づいた場合
ここで守備側が指摘しても、ボールカウントはそのままで正規のバッターに引き継がれるだけです。
特にペナルティはないので、起こり得るパターンを想定しながらこの打席が終わるまでは指摘せずに待ちます。
攻撃側が気づいた場合
すぐに審判に申し出て、ボールカウントをそのまま正規のバッターに引き継ぎます。
もちろんペナルティはありません。
打席途中での打順間違いの記録
ちょこっとメモするくらいですね…
打順間違いに、出塁後気づいた場合
B出塁直後、打順間違いを指摘 | |
飛ばされたAバッター | アウト(捕手の刺殺として記録) |
間違えたBバッター | Aバッターの次のバッターとして、打席を始めからやり直し |
守備側が気づいた場合
打順間違いのバッターが出塁したらすぐ、打順間違いを指摘します。
飛ばされたバッターはアウト。
打順間違いのバッターのヒットやフォアボールなどで進塁したランナーは、元の塁に戻されます。
打順間違いのバッターの先ほどの打席記録は取り消され、もう一度打席に入ります。
ボールカウントはゼロからです。
攻撃側が気づいた場合
できることはありません。
守備側に気づかれないこと祈ってください。
出塁後での打順間違いの記録
飛ばされたバッターは、キャッチャーの刺殺でアウトになったことになります。
打順間違いに、アウト後気づいた場合
ここは、守備側は打順をよく考えてアピールするかしないかを決めることになります。
Bのアウト後、指摘 | 指摘なし | |
飛ばされたAバッター | アウト (Bがアウトになった理由でアウトと記録される) | 飛ばされたまま |
間違えたBバッター | Aの次のバッターとして、打席をはじめからやり直し | 打順間違いであった打席が正規の打席として認められる |
アピールする
飛ばされたバッターはアウト。
先ほどアウトになった打順間違いのバッターは、ボールカウントゼロから打ち直し。
アピールしない
打順間違いのバッターはアウトのまま、間違えた選手の次のバッターの打順となる。
アウト後での打順間違いの記録
飛ばされたバッターは、打順間違いバッターのアウト理由でアウトとなったとする。
打順間違いのスコアはどう書く?
アウトの理由は刺殺や打順間違いバッターの打席結果を引き継いだりするので、記号は決まっていないようです。
アピールプレイのひとつとして「X」を記入する例もありましたが、何が起きたかわからないので「打順間違い」と書くのがわかりやすいですね。
その場合は、「X 1」とか「※1」とか印をつけて、記事欄か余白に書きます。
もちろん、選手の攻撃結果欄に書き込めるスペースがあれば、そこに書いてください。
チェンジの合間に書くこと
チェンジになったら、その回の縦計をします。
安(安打)のイニング計
その回(イニング)のヒット数の合計を書きます。
ヒットは赤線で印をつけておくと、数えやすいですよ。
四(四死球)のイニング計
その回(イニング)の四死球の合計を書きます。
四死球は青で書いていくと、数えやすいです。でもま、そこまでしなくても、四死球の記録場所は決まってるし、数えるのは不便しないかな?
失(失策)のイニング計
その回(イニング)のエラーの数を書きます。
エラーはボケッとしてたら数え間違います。
ひとつのエラーで、複数のランナーが動くから仕方ないのですが…。なので、軸のプレイにだけ緑で記録し、他は黒で記載すると整理しやすいです。
例)
ピッチャーがバント処理後、ファーストに暴投。その間に二塁ランナーがホームイン。
バッターの打席記録に「1E-3」と記録し、二塁ランナーには(3)とだけ記録
例)
7番バッターのとき、ピッチャーが一塁ランナーに牽制球を投げたが、ファーストが捕球できず。一塁ランナー、二塁ランナーともに進塁。
一塁ランナーの二塁のところに「(7‘)1-E3」と緑で記録。二塁ランナーの三塁のところには「(7’)」とのみ記録。
⑧ 得点 イニング縦計と、得点表の方にも記録します
その回(イニング)の得点を書きます。
見出しの得点表⑧にも転記します。
投球数は必ず数えて
その回(イニング)のピッチャーの投球数を個人別に集計します。
ピッチャーの投球数はとても大事です。
継投のタイミングや、怪我防止のためにも必要なデータですので、毎回必ず集計して、試合累計投球数も計算して下さい。
投球数が多くなってきているようでしたら
回の途中でも計算して監督やコーチに耳打ちします
(たいてい、こちらが言う前に訊かれるので、備えておきます)
※数えるのは「投球数」です。
牽制球や送球数は数えません。
ボールカウントと打席結果のスペースを確認して数えます。
試合終了時に書くこと
試合終了時間を記入し、ストップウォッチを止めます
試合終了時間は、両チームが整列し、球審の「ゲーム」がコールされたとき
ストップウォッチを止めて、現在時刻と試合時間を記入します。
オリジナルスコアに投手欄を作ってみました
実は…市販のスコアブックにはありません。こどもの野球おうえんだんオリジナルです。
「どこからどこまで誰がピッチャーだったか」を把握しやすくするために、項目を作りました。いつかPDF配布するので気長にお待ちください。
投手名と背番号、左投手などを書き込んで、登板したイニングをカッコで括ります。
⑨ 記事欄には何を書くんだろう?
私は監督やコーチがつぶやいていたことや、試合の天候などを書いていました。
次回の対戦時に役立ちそうなことや、試合であったイレギュラーなことを何でも。
- ピッチャーの投球フォームにクセがある
- 雨で3回2アウトから30分試合休止
- 猛暑で熱中症
- 雨が途中から雪に
- 風が強く、レフトからライトにボールが流されがち
- 校長先生が観戦
- ○○は故障中でベンチ
- 対戦相手のピッチャーは本日一戦目で投手をしたため、今試合は登板なし
- 時間切れにて試合終了
- 7番バッターのバットを○○がへし折った
- 祝・優勝!!
どうせ空いてるし笑
でも、こういうのを監督が嫌がるならそっとしときます…
まとめ
試合開始前に、できるだけ情報記入を済ませてしましましょう。
ここまでお読みいただいたらお分かりのように、チェンジの間も忙しいですからね☆
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